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WIDEプロジェクトの皆さん並びに村井教授、この10年間のご活躍おめでとうございます。10年間の活躍というのは大きなステップです。インターネットは形式を重んじるものではないので、形式を重んじる日本にとってはある種のカルチャーショックであったことでしょう。日本がインターネットを学ぶとともにインターネットの方でも日本を学ぶいい機会でした。
ただ、日本の文化的な強さがまだインターネットに反映されるに至らず、日本のそれを世界に知らしめるに到っていないことは残念に思います。WIDEプロジェクトがこれに取り組みはじめてはいらっしゃいますが・・。しかし世界の情報や技術が日本にもたらされ、日本の方々に利用されるようになったのは嬉しく思います。またインターネットが研究機関や学校にもたらされ、インターネットが教育やビジネスにどう影響を及ぼすかを探ることができるようになったというのは日本にとって画期的なことだったと思います。このような取り組みは重要なことで、WIDEプロジェクトがその一端を担うことができたというのは嬉しく思います。 日本というのは特異な立場にあり、世界に対して多大な貢献ができると思います。日本はずっと他国との交流を絶っており、黒船が来航した時も鎖国を続けようとしました。それと同じことがインターネットの利用に際しても言えるでしょう。なぜならば日本はインターネットを容易にとりこもうとはしなかったからです。この2つのことは文化的な意味で類似しています。しかし、このように日本は世界的な事象に対して距離を持って接していることから、欧米人とはちがった見方ができます。欧米人はそのような距離を持った見方をしないからです。 日本は衛星技術に取り組み、インターネットでの動画の伝送やデジタル通信に有効活用しようとしており、またAIIIというアジア全体での伝送を計ろうとする取り組み等から、世界の中で特別な地位を占めることができると思います。世界から孤立という点では南太平洋に浮かぶ小島でも事情は同じでしょうが、日本がそこと異なるのは日本にはインフラ及び資金があるという点です。もし私がWIDEプロジェクトの一員であるなら、そういう日本の得意とする分野で他国と差別化をはかると共に、その点においていかに世界に貢献できるかを追求するでしょう。 |
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