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1988年、UNIXとネットワークの研究者たちが集まって、1つの研究会がスタートした。それが、日本だけではなく世界のインターネットをも牽引し続けてきた「WIDEプロジェクト」である。1998年に10周年を迎えたWIDEプロジェクトの歴史は、そのまま「日本のインターネットの歴史」と言い換えても過言ではない。ここで歴史を振り返りながら、その業績と今後の課題を考えてみたい。
年表でたどるWIDEプロジェクトの10年 |
通信とインターネットのトピック | WIDEプロジェクトの歴史 | |
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1981 | 1969年、米国防総省が分散型コンピュータ
ネットワーク「ARPAネット」の研究をスタート 1974年、N1ネット(大学間ネットワーク)の開発スタート 1980年、TCP/IPが国防総省標準になる
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・1981年、N1ネット運用開始
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1982 | TCP/IPをARPAネットで採用 | ・村井純氏らがUNIXベースのネットワークを慶應大矢上校舎内に構築 |
1983 | ARPAネットが、MILネットとARPAネットに分離 | |
1984 | DNS(Domain Name System)が考え出される | ・東工大、慶應大がモデム(300bps)でつながる
・東工大、東大、慶應大がモデム(1200bps)でつながる ・JUNET(Japan University Network)スタート |
1985 | TCP/IPソフトがBSD UNIXに組み込まれて普及
電電公社民営化、NTTに 新電気通信事業法が施行される |
・情報処理学会で村井氏が「JUNET」を発表
・UNIXユーザーを中心に、WIDEプロジェクトの前身となる「WIDE研究会」発足 |
1986 | アメリカ科学財団のCSネットが運用を開始
NSFネットが新設される |
JUNETで日本語メールが開始され、ユーザーが増える
JUNET、米国のCSネットに初めての国際接続 |
1987 | カード式自動車公衆電話、携帯電話のサービス開始 | ・CSネットとJUNETが接続。ユーザーに対し、CSネットのサービスを暫定的に開始
・東大、東工大間を64Kbps接続 |
1988 | NSFネットのバックボーンがT1回線に増強
INS64のサービスがスタート 第1回インターロップ、サンタクララで開催 |
・1月、慶應大が接続
・8月、WIDEプロジェクト発足。 初の研究合宿を実施
研究テーマ
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1989 | CSネット接続が東大より学術情報センターへ移管
TISN(国際理学ネットワーク)とJAIN(Japan Academic Inter-university Network)がスタート アドレス表記の「jp」への移行完了 WWWプロトタイプができる |
・1月、村井氏がNACSISの協力のもとにNSFネットと東大を接続(9600bps)
NSFネットと東大の接続に使った9600bpsのモデム 研究テーマ
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1990 | JUNETのサイト数が289から452に。また700を超える組織が接続
ARPAネット終了(NSFネットなどに吸収) UUNet、PSInetなどの商用プロバイダー設立 |
・3月、WNOC大阪設置(千里国際情報事業財団)
・4月、WNOC-SFC設置(慶應大SFC) ・12月、WNOC福岡(システムソフト)設置 研究テーマ
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1991 | 初のインターネット国際会議「INET'91」がコペンハーゲンで開催
日本ネットワークインフォメーションセンター(JNIC)発足、JUNET ADMINが行っていたドメイン名管理業務を行う WWW、Gopher、Wide Area Information Servers(WAIS)リリース CSネット終了 |
・8月、WNOC仙台設置(AIC)
合宿では、ドアスコープや空調配管用の 研究テーマ
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1992 | ISOC設立
JUNET協会設立 SINET(学術情報ネットワーク)スタート |
・6月、神戸でINET'92開催
・7月、WNOC広島設置(広島大学) ・12月、インターネットイニシアティブ(IIJ)設立 WIDEと相互接続
INET'92は日本で開かれた
研究テーマ
INET'92には世界中から参加者が集まった |
1993 | ゴア副大統領が情報ハイウェイ構想を発表
InterNIC設立 JPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)発足 AT&T Jensが国内・国際IPサービスを開始 NCSAがMosaicを配布 日本インターネット協会(IAJ)が発足 |
・4月、WNOC奈良設置(奈良先端科学技術大学院大学)
・5月、WNOC北海道設置(札幌エレクトロニクスセンター) ・6月、国際接続をハワイ大学からNASA(FIX-W)へ変更 研究テーマ
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1994 | ネットスケープ、Yahoo!などのインターネットベンチャー企業が続々と創業
NSFネットバックボーンがその役割を終了 N+I 94が日本で初めて開催 9月、インプレス「インターネットマガジン」創刊 JUNETが役割を終えて発展的解散 商用パソコン通信とインターネットが接続 |
・7月、WNOC浜松(静岡大学)、WNOC八王子(東京工科大)を設置
・9月、WIDE合宿にVSAT可搬局を持ち込み2Mbpsの衛星回線接続 ・12月、WNOC-SFO(サンフランシスコ)設置。国際回線1.5Mbpsへ増強 ・NSPIXP-1がスタート 研究テーマ
衛星通信のための可搬型パラボラアンテナ |
1995 | 1月、阪神大震災
RealAudioリリース 11月、Windows95が日本で発売、日本国内のインターネットブームに弾みを付ける Shockwaveが登場 |
・9月、WNOC岐阜設置(ソフトピアジャパン)
・北陸先端大をWNOC小松として機能させる ・11月、坂本龍一氏のコンサートをインターネットでライブ中継(武道館) 坂本龍一氏のコンサートはインターネットを通じて世界に発信された 研究テーマ
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1996 | gTLDの検討開始
PHSサービス開始 ストリーミングコンテンツ増加 国内で初めて、わいせつな図画をWWWに掲載・販売していた者が逮捕される Internet Explorer3.0登場、ブラウザー戦争勃発 12月、インプレス「インターネットウォッチ」創刊 OCNがスタート |
・インターネット1996ワールドエキスポジション(IWE'96)開催。バックボーンとしてT3(45Mbps)の国際線を利用
・1月、第1回インターネット災害訓練実施 ・6月、WNOC東京-WNOC奈良間の専用回線を利用してIPv6を運用 ・アトランタオリンピックのサイト運営に協力 ・NSPIXP-2スタート ・スタンフォード大学等とモービルコンピューティングの共同実験を開始
研究テーマ
インターネットカーのエンジン部には、 |
1997 | 検索サービス「goo」が登場
6月、神戸小学生殺人事件の容疑者の実名や写真がネット上に流出、社会問題化 プッシュ技術に注目が集まる Netscape Communicator 4.0/Internet Explorer 4.0リリース パソコン通信のASCII-netと日経MIXがサービスを終了 大阪府警が画像モザイク処理ソフト「FLMASK」の作者を逮捕 |
・大阪にNSPIXP-3を設置
・SOI(School of Internet)プロジェクトがスタート。SFCと奈良先端科学技術大学院大学の授業をインターネットで公開 研究テーマ
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1998 | 長野オリンピック公式サイトへのアクセス数が約6億3,500万ヒットを記録
サッカーのワールドカップ・フランス大会公式サイトが約11億ヒットを記録、ギネスブックのインターネット部門の4つの記録を更新 米クリントン大統領の不倫もみ消し疑惑について、スター独立検察官の報告書に続き、大陪審でのビデオ証言がリアルビデオで公開され、膨大なアクセス数を記録 |
・長野オリンピック、長野パラリンピックのサイト運営に協力
・WIDEプロジェクト10周年記念シンポジウム開催 IBMからWIDEプロジェクトに贈られた記念品
研究テーマ
WIDEプロジェクト10周年記念 |
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