Date: Wed, 24 Nov 2004 15:32:52 +0900 OB・OG各位 「鹿屋体育大学戦」 結果は周知だと思いますが、鹿屋体育大学戦は19-73の敗戦でした。詳しい試合経過は現役のホームページ上で紹介されていますので、私の方からは試合内容とシーズン今後の抱負などを述べさせていただきます。 【試合内容】 1.試合前 1年間、このためにやってきた試合でした。試合前のロッカーでのキャプテン倉員のゲキも最初から感極まったものでした。私が言ったのは「この試合に勝てば恐らく九大ラグビー部の歴史が変わるだろう。倉員だけじゃない、湯元だけじゃないこの試合に出る一人一人が5年後10年後に“俺が九大の歴史を変えたんだ”と言えるようなプレーをしろ。そして歴史を変えよう」ということでした。 2.試合 ゴール前でのアドバンテージがいつの間にか消えていた不運はありました。しかし、敵に攻撃権が移ってからの連続攻撃で鮮やかにあっさりBKに回されてトライ。そして、九大のミスによるゴール前スクラムから近場のサイド2つであっさりトライ。そして、さらに1トライ。多少、九大に気負いこんでいた部分もあったかもしれません。しかし、決めるところをキッチリ決めてくる鹿屋は、やはり強いという印象を皆が持ったと思います。その後、九大もBKが良く抜きよく走り2トライを返し5点差。その後、再びゴール前に迫られてから敵No8を激しいタックルで負傷退場に追い込みながら、またも敵のキーマンNo3にねじ込まれて12点差で前半終了。もともと、このくらい最初にやられることはある程度予想していて、学生にも前日「前半終了時点で10点差くらいなら後半いける」と言っていました。まさにそのとおりの展開となりましたが、後半開始から10分でゲームは決まってしまいました。KOから敵ゴール前に迫るも決め手に欠ける九大は得点を奪えず。逆に九大が攻め疲れたところを敵WTBに大外を走り切られてトライ。後半になっても鹿屋の運動量は落ちることなく、加えて前半から接点際での上手さの差を感じていた九大は、これで切れてしまいました。 【今後】 監督としての私の自己評価としては、選手の個性を見極め、なだめ・すかし・脅して我ながら良く一人一人の持ち味は引き出せてきたと思います。本人のためチームのためだと思えば、言い難いことも結構はっきり言ってきました。しかし、足りない部分を強制的にやらせて改善することは、あまりやってこなかった。今年に関しては1部ということで、筋力は20%アップしてやっと互角、フィットネスも上位を上回ってなんぼ、ケガ予防から経験的に効果があるクーリングダウンの徹底、を春先から言ってきました。筋トレとクーリングダウンはまずまず行ったものの、フィットネスに関しては結局、あまりやらせず終いでした。結局、最後は筋力差・フィットネスの差で大きく負けていたことが上位への扉を閉ざした、という結論です。筋力・フィットネス、そして自己管理に関しては、学生に自主的にもっと意識を高めないと上位へ食い込む資格はないということを自覚させなければならないと感じています。 今年は変則スケジュールで今後、九産大と(まず、これは勝つとして)北九州(か九州国際大)と改めてやって最終順位を決めます。今、私が言っているのは「残念だけれど、今年は上位に入ることはできなかった。しかし、九大はこれまで毎年それまでに足りなかったところを改善し前進し続けてきた。来年こそは上位に食い込む、そのためにも今年はしっかりと下には差をつけた5位でしたと言える様な残り2試合にしよう」ということです。 私は九大を12月いっぱいで辞職し、来年から新設のハワイ州立大学医学部・ゲノムセンターに移ることになりました(ビザや立ち上げの関係もあり12月終わりから1月いっぱい東京の予定です)。ラグビー部はどうやらないようです。波にでも乗ります。リーグ戦残り2試合と、京大定期戦が最後の指揮となります。今まで多くのOB・OGの皆様には応援・ご援助いただきまして本当にありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。 後任は「我こそは」というのが現れてくれれば一番良いのですが、なかなかそういうわけにもいかないようです。今後、幹事会などで善後策が話し合われてゆくと思います。平成10年卒の堀田君が今年より行橋から名島に引っ越して来ています(県職員)。本人は自身が良い時・悪い時の両方を経験しており、ラグビー部への想いも熱く「コーチなら」ということで、とりあえずヘッドコーチということでお願いすることにしています。今の私よりははるかに体も動くし、熱血派コーチとしてこれからの九大を引っ張っていってくれると確信しています。いずれにせよ、九大ラグビー部を再生させたこの6年間の卒業生、そしてその活躍に刺激を受けた若手OBが、今後九大ラグビー部をさらなる発展に導いてくれることを期待しています。 ************************************* 812-8582 福岡市東区馬出3丁目1ー1 九州大学大学院医学研究院 生体制御学講座・基礎放射線医学分野 Tel: 092-642-6143 Fax: 092-642-6145 吉村 康秀